笠取山、唐松尾山、竜喰山、大常木山(テント泊)

笠取山 1,953m 唐松尾山 2,109.3m 竜喰山 2,011.9m 大常木山 1,962m(テント泊)

 山行情報

山行日       2023年10月30日(月) 晴れ / 10月31日(火) 晴れ

山頂所在地/山域  山梨県・埼玉県/奥秩父山塊

アクセス/出発地  車/中川橋駐車場 将監登山道入口〜中島川口

行程詳細      30日 中川橋駐車場(8:00-8:32)→ 将監登山道入口(8:45)→ 牛王院下(9:14)→ 将監小屋(10:16-11:35)→
              将監峠(11:41)→ P1883(11:56-12:00)→ 竜喰山山頂(12:28-12:38)→ 大常木山山頂(13:26-13:36)→
              大ダル(14:07)→ 将監小屋(テント泊)
(15:36)
          31日 将監小屋(5:20-7:17)→ 将監峠(7:24)→ 牛王院平(7:36)→ 山ノ神土(7:43)→ 西御殿岩(8:35-8:38)→
              唐松尾山山頂(9:19-9:29)→ P2044(10:09-10:12)→ 黒槐の頭山頂(10:36)→
              黒槐山山頂(10:48-10:53)→水干尾根手前分岐(11:18)→ 笠取山山頂(11:36-11:46)→
              笠取山展望地(11:53-12:33)→ 笠取山鞍部(12:44)→水干(12:54)→ 水干尾根(13:00)→
              シラベ尾根(13:15)→ 黒エンジュ(13:26-13:33)→ 馬止(14:12-14:15)→中島川口(14:28)→
              中川橋駐車場(14:40)

所要時間/距離   30日 行動時間:5時間21分 休憩時間:1時間43分 合計:7時間4分/13.9km
          31日 行動時間:6時間2分   休憩時間:1時間21分 合計:7時間23分/14.3km

服装/装備     半袖シャツ、長袖シャツ、ダウンジャケット、トレッキングタイツ、トレッキングパンツ、登山靴、 トレッキングポール、テント

GPSログ      GPX  KML  標高CSV    商用以外であれば自由に利用できます。

   この地図は、国土地理院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。
   無断転載を禁じます。

ルート図      


 山行記録

30日 将監登山道入口〜将監小屋〜竜喰山〜大常木山〜大ダル〜将監小屋

8:00 中川橋駐車場に到着(写真)。

予定より早く到着したので、ノンビリと支度をする。

8:32 中川橋駐車場を出発。

林道を戻り、2016年の和名倉山登山で駐車場を利用した民宿みはらし(駐車場)を過ぎると、ほどなく将監登山道入口に着く。

8:45 将監登山道入口に到着(写真上)。

小石の浮いた林道をゆるやかに登る。

30分ほどで牛王院下(写真中)を右に行く。2016年には直進して、将監峠や山ノ紳士方面に向かった。

正面の山腹の黄葉(写真下)や、背後にときどき木々の合間に見え隠れする富士山を楽しみながら、ひたすら林道をたどる。

地形図にない将監峠ヘの道を左に見送ると、ほどなく将監小屋に着く。

10:16 将監小屋に到着(写真上)。手続き&テント設営&昼食。

予想通り平日は管理人は不在なので、料金箱にテント泊料1000円を入れる。

段々になったテント場で一番良さそうなトイレ近くにテントを設営する(写真下)。
その後周囲の様子をうかがいながらノンビリ昼食を取り、この日の山行の準備に取り掛かる。

11:35 将監小屋を出発。

急斜面をほとんど直登気味に登り(写真上)、後半は喘ぎながら6分ほどで雁坂峠(写真下)に登り着く。
道標には飛龍山・雲取山方面とあるだけで、竜喰山も大常木山も記されていない。マイナーな山ってことだろうか!?


右のゆるやかな笹道に入り、すぐに右カーブに差し掛かる。立ち止まって確認すると、木に付けられた道標と笹原に延びる踏み跡を見つけた(写真)。道標が木陰になっていて、進行方向から見難い。

なかなかの急登に息を整えながら登り、岩の左を上がれば、ポンとピーク上に飛び出す。

富士山、大菩薩嶺

11:56 P1883に到着(写真上)。小休止。

露岩のピークで道標などはないが、展望は抜群だ。南東にはこれから向かう竜喰山、南西には富士山を中心に雁ヶ腹摺山、大菩薩嶺(写真下)などの奥秩父山塊を一望する。

12:00 P1883を出発。

ときどき右に富士山を見ながら稜線上の笹道(写真)をたどる。一部不明瞭な場所もあるが、ピンクテープを拾いながら稜線を大きく外れなければ問題ない。

12:28 竜喰山山頂に到着(写真上)。小休止。

狭い山頂は木々に囲まれ、展望は良くない。
手作りの山頂標識(写真下)や三角点がある。

12:38 竜喰山山頂を出発。

同じように稜線上の笹道をたどるが、倒木や不明瞭な踏み跡などやや荒れ気味な場所(写真上)が目立ち始める。
ときどき開けた場所があり、富士山が見られる。

大常木山直前の鞍部からの岩場(写真下)を巻いたり越えたりしながら、ポンと大常木山頂に飛び出す。

写真上はP1999直下の登り。このあたりが一番不明瞭だったと思う。

東仙波、和名倉山

13:26 大常木山山頂に到着(写真上)。小休止。

山頂は思い掛けない岩峰で、やや狭い。竜喰山山頂と同様の「ご安全に」と書かれた山頂標識(写真中)がある。
北側に展望が広がり、歩いて来た竜喰山からリンノ峰、東仙波、和名倉山(写真下)、白岩山、芋ノ木ドッケなどが見られる。

13:36 大常木山山頂を出発。

東側の岩場(写真)に入るが、踏み跡も目印もないため足場や方向を確認しながら降りる。
岩場を過ぎると、笹道をひたすら下り大ダルに降り立つ。

14:07 大ダルに到着(写真上)。

正式な登山道に降り立ち一安心するが、こちらも一筋縄ではいかない。何箇所かの崩壊地(写真下)や沢に架かった橋、ガレた斜面、急斜面に付いた細い登山道などが続き、危険というほどではないが、足元には注意が必要だ。

しかも、とてつもなく長く感じ、1時間15分ほどで、やっと将監小屋への分岐(写真)に着く。
道標を左に下り、傾斜がゆるむと前方に小屋が見え、ほどなくテント場に飛び出す。

15:36 将監小屋に到着(写真)。
テント泊。

谷筋にあるため、すっかり陽が陰り寒々しい。
この時間でも他の登山者はいない。
適当にテントに放り込んでおいた荷物を整理しながら、一息入れる。
水場が近い小屋前の休憩所で、早いながら夕食の準備を始める。

「秋の夕暮れはつるべ落とし」のことわざ通り、夕食を食べ始める頃には、あたりはすっかり薄暗くなってしまった。

寒さも手伝って6時前にはシュラフに潜り込み、ラジオを聴きながら寝入る。

31日 将監小屋〜西御殿岩〜唐松尾山〜笠取山〜中島川口

5:20 起床。

アラームを5時にセットしたはずが、なぜか鳴らなかったようで20分ほど寝過ごす。

まだ薄暗い中、シュラフなどの後片づけと平行して、小屋前の休憩所で朝食の準備をする。

朝露と思っていたテントのフライは粒々の氷だったが、それほど寒さは感じない。

朝食、トイレ、テントの撤収を済ませ、出発の準備を整える。

7:17 将監小屋を出発。

フル装備のザックを担ぐと、さすがに将監峠への急登は堪える。
途中で東の尾根上に太陽が顔を出し、一気に暖かい日差しに包まれる。
将監峠を左の笠取山・雁坂峠方面の笹道(写真)に入る。
ゆるやかな登りから牛王院平を右に進む。ここには2016年には朽ちた道標があったが、何もなくなっている。

さらに笹道をゆるやかに登ると、ほどなく分岐に出る。

7:43 牛山ノ神土に到着(写真上)。

2016年には右の和名倉山への道に入ったが、今回はここを左折する。数メートル先でさらに道は二俣(写真下)になっていて、左の黒エンジュヘの道を見送り、右の笠取山・雁坂峠ヘの道に入る。


富士山

P2075の山腹をトラバースしていると、突然谷側が開け富士山(写真)が姿を現わした。

ほどなく土留めの整備された大崩壊地(写真)に行き当たり、上部を迂回する。さらに、地形図に記された崖を横切り、トラバースが続く。


突然枯れ木に文字の消え掛かった道標とオレンジのテープが付けられた分岐(写真上)に出る。右の踏み跡入口にも朽ちた道標(写真下)がある。

笹の急斜面に入り、笹に付いた踏み跡を登る。

 

地形図に記された地肌の露になった場所(写真上)からは、やや踏み跡が不明瞭になり、ほどなく稜線上の鞍部分岐(写真下)に飛び出す。
ここには道標がある。

8:35 西御殿岩に到着(写真右)。小休止。

岩が積み重なった岩峰だが、標識などはない。

南側が大きく開け、展望が良い。昨日のP1883以上かも知れない。飛龍山から雁ヶ腹摺山、大菩薩嶺、富士山、乾徳山、黒金山、国師ヶ岳などを一望する(写真下)。

西御殿岩からのパノラマ

8:38 西御殿岩を出発。

分岐まで戻り稜線を直進する(写真)。踏み跡は不明瞭だが、稜線伝いにたどれば、ほどなく登山道に合流する。

すぐに稜線をやや左に外し気味にたどり、稜線に戻るとやや傾斜を増し、山頂一角の南側に登り着く。

9:19 唐松尾山山頂に到着(写真上)。小休止。

何枚かの山頂標識(写真下)と三角点がある。狭く展望はない。

9:29 唐松尾山山頂を出発。

登り着いた場所から南西の尾根に入る(写真上)。

100m余り下ったところで右に引っ張られてしまい、二進も三進も行かなくなる。周囲を見回し左に下るべき尾根が見えたため移動すると、急斜面に付いた登山道(写真下)を発見して事無きを得る。

その後はおだやかな稜線歩きが続き、鞍部から短く急登しピークに立つ。

10:09 P2044に到着(写真)。小休止。

標識などはないが、富士山が見えた。

ヤマレコでは「独標2044m」となっている。

10:12 P2044を出発。

おだやかにアップダウンを繰り返して稜線をたどる。

左に小ピークが現れ、東から北側に回り込むと標識が見えたため、何かの看板(写真)のところで登山道を外れその方向に行ってみる。

10:36 黒槐の頭山頂に到着。

笹原に覆われた小ピーク上の大木に、手作りの山頂標識(写真)が付けられている。
証拠写真を撮りすぐに引き返す。

前方に黒槐山が見えてくると、登山道は左を巻いている(写真)。鞍部から直接山頂への踏み跡があれば行くつもりだったが、ないため素直に左へ巻いて行く。

すぐに山頂の南西側にオレンジテープ(写真)があり、山頂に向けて踏み跡が延びている。
笹が濃いが踏み跡は明瞭で、オレンジテープも付いているので迷うことはない。

10:48 黒槐山山頂に到着。小休止。

ここも笹に覆われている。少し凝った山頂標識(写真)がある。
一息入れながら北西の尾根を見てみると、目印や踏み跡はないがなだらかで歩きやすそうに見える。

10:53 槐山山頂を出発。

踏み跡っぽい形跡のある笹原を尾根伝いにたどり(写真)、傾斜が増したあたりで本来の登山道に乗るため南西方向に進む。

ほどなく登山道(写真)に降り立ち、なだらかで広々とした笹原をたどる。

水干尾根手前の分岐(写真上)を右へUターン気味に登り、岩と木の根の段差(写真下)をあがると、ほどなく笠取山山頂に飛び出す。

てっきり水干尾根まで行くものと思っていたが、この分岐は20mほど手前になる(写真上)。

11:36 笠取山山頂に到着(写真。小休止。

山頂標柱と三角点がある。
大菩薩嶺が辛うじて見えているが、残念ながら富士山は完全に雲に隠れている。

11:46 笠取山山頂を出発。

西へわずかで笠取山展望地に出る。

燕山、古札山、木賊山、水晶山、雁坂嶺

11:53 笠取山展望地に到着(写真上)。昼食。

ここにも山頂標柱がある。
強い風を除けるように、北側の木陰で昼食を取る。
南側には雲が広がり、富士山はまったく見えなくなっているが、
西側に乾徳山から黒金山、国師ヶ岳、燕山、古札山、木賊山、水晶山、雁坂嶺などを一望する(写真下)。

12:33 笠取山展望地を出発。

道が錯綜する南西の急斜面(写真上)を急下降し、鞍部に降り立つ。
振り返ると、山頂まで真っ直ぐに延びる防火帯を一望する(写真下)。


笠取山西から源流のみちに入る予定だったが、鞍部左のフェンスに沿って延びる踏み跡(写真)を見つけ入る。

すぐに源流のみちと合流し左へゆるやかに登る。
水場口分岐(写真)を2箇所過ぎると、ほどなく案内板の立つ水干に着く。

12:54 水干に到着(写真)。

まったく水の気配がない。案内板では、「水干」は沢の行き止まりの意味で、60mほど下に湧き水があるようだ。
ここからやや傾斜が増し、5分ほどで案内板の立つ分岐に出る。

13:00 水干尾根に到着(写真上)。

尾根の下りから沢を横切り、しばらくして尾根上のシラベ尾根(分岐)(写真下)を左へ行く。
再び沢を横切り、次第に高巻くように進み黒エンジュに着く。

13:26 黒エンジュに到着(写真)。小休止。

案内板とベンチがある。
直進すると、唐松尾山の山腹をたどり牛山ノ神土に出る。

13:33 黒エンジュを出発。

右に進み、何度か折り返して沢を横切る。P1652の傍を抜け、支尾根に乗り換えひたすら下って行く。

14:12 馬止に到着(写真)。小休止。

沢の木々の紅葉が良い感じだ。

14:15 馬止を出発。

ゆるやかな下りが続き、沢の音とともに左下に林道が見えると、ほどなく林道に降り立つ。

14:28 中島川口に到着(写真)。


林道を北上する。

14:40 中川橋駐車場に到着。


車が1台増えていた。


 感想

2年ぶりのテント泊。体力的に心配だったが、それはまったくの杞憂だった。

初日に竜喰山、大常木山を選んだのは、テント設営後に回ることで初日に体力消耗を抑えられるだろうとの目論見だった。正解だったようで、翌日も歩き始めこそ足にやや疲労感を感じたものの、下山後でも前々回の阿弥陀岳(日帰り)よりも余裕があった。

将監小屋から竜喰山、大常木山、大ダルはほぼバリルートで、山頂以外に道標も目印もほとんどなく、一部踏み跡の不明瞭な場所があるが、稜線が明確なこともあり危うくなるようなことはなかった。とにかく、稜線を外さないことだ。
大ダルから小屋までは崩壊地も迂回ルートが設定され、まったく問題はない。ただ、変化が少なく、とてつもなく長く感じた。
P1883でいきなりの大展望。富士山を中心に雁ヶ腹摺山、大菩薩嶺などの奥秩父山塊を一望できた。今回の山行で1、2位を争う大パノラマだった。稜線上でもときどき富士山や奥秩父山塊が見られた。

西御殿岩から登山道の合流点も距離は短いが、同様に稜線を外さなければ難しくはない。
黒槐山からの下山は完全に自己流だが、なだらかな稜線をGPSを確認しながらたどれば、やはり難しくはない。登山道への合流は、傾斜が増したら徐々に尾根を左に外して行けば良い。
それよりも焦ったのは、唐松尾山からの下りで一瞬道を見失ったときだ。わずかに右に逸れただけで二進も三進も行かなくなった。左前方に進むべき稜線を見つけ、少し左に寄り下り斜面に登山道を見つけられ、内心ホッとした。
朝はその姿をクッキリと見せていた富士山だが、肝心の笠取山では完全に雲の中でちょっとガッカリだった。この日は何と言っても西御殿岩からの展望だろう。風が強くて長居はしなかったが、前日のP1883と同様に大パノラマは見応えがあった。

今回登山者に出会ったのは、笠取山での2名だけ。平日とはいえ、何とも静かな山行になった。

時間的に計画とほぼ大きな誤差もなく、体力的にも余力を残しての下山で、200%大満足の山行になった。


 日帰り温泉

丹波山温泉 のめこい湯

2日間の汗を流し、サッパリとして帰路についた。
のめこい湯に行くには、道の駅たばやまに車を停め、丹波川に架かるふれあい橋(吊り橋)を渡ることになる(写真上)。
ここは何度か来ているので外観はハッキリと覚えていたが、受付や売店、浴室など屋内はまったく覚えていなかった。
平日の3時過ぎということもあり、空いていてノンビリできた。
通常900円が3時以降だったため、割引の600円。何となく得した気分になった😅💦。