天狗岳(積雪期)

天狗岳 2,646m(積雪期)

 山行情報

山行日       2020年4月3日(金) 快晴のち晴れ

山頂所在地/山域  長野県/八ヶ岳連峰

アクセス/出発地  車/天狗岳登山口駐車場(唐沢鉱泉)から周回

行程詳細      天狗岳登山口駐車場(6:30-7:09)→ スノースパイク装着地点(7:19-7:23)→ 渋ノ湯・唐沢鉱泉分岐(8:07)→
          黒百合ヒュッテ(8:36-8:50)→ 中山峠(8:56)→ 天狗岳分岐(9:30)→ 天狗の鼻(9:45)→
          東天狗岳山頂(9:47-10:01)→ 西天狗岳山頂(10:16-10:33)→ 第二展望台(10:54-10:57)→
          第一展望台(11:13-11:27)→ 唐沢鉱泉分岐(11:49)→ 西尾根登山口(12:18)→ 天狗岳登山口駐車場(12:21)

所要時間/距離   行動時間:4時間6分 休憩時間:1時間6分 合計:5時間12分/9.1km

服装/装備     アウタージャケット、長袖アンダーシャツ、長袖シャツ、トレッキングタイツ、雪山パンツ、雪山登山靴、アイゼン、
          ピッケル、トレッキングポール

GPSログ      GPX  KML  標高CSV    商用以外であれば自由に利用できます。

   この地図は、国土地理院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。
   無断転載を禁じます。

ルート図      


 山行記録

6:30 天狗岳登山口駐車場に到着(写真)。

到着時は奥に3台だけ。朝食、準備中に3台ほど到着。
駐車位置には残雪があるが、途中の道路に雪はないので、この日はノーマルタイヤでも問題なし。
ただ、夜間凍結などの可能性があるので、スタッドレスが安心だろう。

別荘地を抜けると未舗装路となり、角名川を越えるとやや傾斜のキツイ曲がりくねった道が続く。2005年9月に来ているが、まったく記憶がなかった。そのときはカローラレビンなので、こんなダートを走れば覚えていそうなのだが。。。
圧雪くらいならプリウスE-Fourで問題なさそうだが、アイスバーンだと登れるだろうか?微妙かも。。。

7:09 天狗岳登山口駐車場を出発。

唐沢鉱泉前先の分岐(写真上)を直進する。右は展望台経由で西天狗岳に至る。
ナメ滝への道を左に見送り、角名川を越える。
いきなり岩と雪とアイスバーンのミックスが続く(写真下)。

7:19 スノースパイク装着地点に到着。

滑ってこける前にスノースパイクを履く。

7:23 スノースパイク装着地点を出発。

シラビソ林の中をトラバース気味にゆるやかなに登る。ほとんど雪のない場所もあるが、概ね雪とアイスバーンのミックスが続く。
沢に架かる短い橋を2度渡り、広々としたなだらかな尾根から凍りついた細い沢を越えると、ほどなく渋ノ湯・唐沢鉱泉分岐に出る。

8:07 渋ノ湯・唐沢鉱泉分岐に到着(写真)。

少し先で沢を渡り返し、しばらく沢沿いをたどる。
何箇所か凍りついた場所があり、スノースパイクを履いて正解だった。

8:36 黒百合ヒュッテに到着(写真)。小休止。

2人の登山者が休憩している。
一息入れてからトレッキングポールからピッケルに変え、スノースパイクから12本爪アイゼンに履き変える。

8:50 黒百合ヒュッテを出発。

天狗岳に向かう。平坦なシラビソ林をたどり岩が露出する中山峠に出る。

天狗の鼻、西天狗岳

8:56 中山峠に到着(写真上)。

右へゆるやかにたどり、雪壁を短く急登し稜線に乗ると、突然双耳峰の天狗岳(写真下)が目に飛び込んでくる。

しばらく左が切れ落ちた断崖状の尾根をたどると、前方に広々とした急斜面が広がる。
1人の登山者が登っているのが見える(写真)。

少ししてその急斜面に取り付き、トレースをたどりながらフラットフッティングにスリーオクロックを交えて登る(写真)。

岩の露出したすりばち池・黒百合平分岐からは頭上に見えている天狗の鼻を目指して登る。
途中から岩場を右に巻いて登り、岩場の間(写真)を急登する。ここが最大の難所で、ピッケルのピックを使い、アイゼンの前ヅメを蹴り込みながら登る。
岩峰を回り込むと前方に東天狗岳山頂が姿を現す。

天狗の鼻を右から巻くが、右が切れ落ち、ちょっと気を使うトラバース(写真)が続く。
天狗の鼻の直下を急登し、コースロープ沿いから岩場を縫うように登れば、ほどなく東天狗岳山頂に出る。

9:47 東天狗岳山頂に到着(写真右)。小休止。

先ほど急斜面を登っていた登山者が休憩中で、少しして西天狗山頂から1人登ってきた。
山頂は岩が積み重なり雪は少ない。
360度の大パノラマが広がり、南から南八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、西天狗岳、乗鞍岳、北アルプス、霧ヶ峰、美ヶ原、北八ヶ岳、頸城山塊、浅間連峰などを一望する(写真下)。
風がほとんどなく、ノンビリと景色を楽しむ。

南八ヶ岳:硫黄岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳、赤岩の頭、根石岳、箕冠山、編笠山。
南アルプス:
鳳凰山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)、高嶺、間ノ岳、北岳、アサヨ峰、甲斐駒ヶ岳、
      仙丈ヶ岳、鋸岳。
中央アルプス:安平路山、越百山、仙涯嶺、南駒ヶ岳、赤梛岳、空木岳、東川岳、熊沢岳、檜尾岳、宝剣岳、中岳、木曽駒ヶ岳、麦草岳、茶臼山、
       大棚入山。

乗鞍岳:高天ヶ原、大日岳(奥の院)、剣ヶ峰、摩利支天岳、富士見岳、恵比須岳、大黒岳、大丹生岳、四ッ岳、十石山。
北アルプス:奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳、常念岳、横通岳、大天井岳、鷲羽山、燕岳、爺ヶ岳、布引山、鹿島槍ヶ
      岳、五竜岳、白岳、唐松岳、不帰ノ嶮、鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳、小蓮華山、船越ノ頭、乗鞍岳。
浅間連峰:御飯岳、笠ヶ岳、西篭ノ登山、東篭ノ登山、水ノ塔山、高峯山、黒斑山、仙人岳、剣ヶ峰、前掛山、浅間山。
その他:草津白根山、岩菅山、裏岩菅山、烏帽子岳、横手山。

南八ヶ岳 西天狗岳 南アルプス 中央アルプス
乗鞍岳 北アルプス南部 北アルプス北部、蓼科山 浅間連峰

10:01 東天狗岳山頂を出発。

岩だらけの稜線を下り東天狗岳へ向かう。
鞍部に降り立つと雪は豊富になり、トレース(写真)が西天狗岳山頂へと延びる。
ゆるやかな登り返しから徐々に傾斜が増し、直下の50mほどを喘ぎながら登る。

10:16 西天狗岳山頂に到着(写真右)。小休止。

なだらかで広々とした山頂は雪に覆われ、東天狗岳とは対比をなす。
東天狗岳に負けず劣らず展望が良く、東から天狗の鼻、東天狗岳、奥秩父山塊、南八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、乗鞍岳、北アルプス、霧ヶ峰、美ヶ原、北八ヶ岳、頸城山塊、浅間山塊など、日本の主立った名山が軒を連ねる。
東天狗岳で撮り損ねた奥秩父山塊や戸隠連峰、頸城山塊、そして西天狗岳に隠れていた御嶽山をカメラに収める。

奥秩父山塊:山宝山、甲武信ヶ岳、木賊山、小川山、国師ヶ岳、朝日岳、金峰山。
北八ヶ岳:蓼科山、北横岳、縞枯山、茶臼山、大岳。

頸城山塊:新潟焼岳、火打山、妙高山。

戸隠連峰:戸隠山、高妻山。

東天狗岳 奥秩父山塊 中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳 蓼科山、頸城山塊

10:33 西天狗岳山頂を出発。

西尾根に入る。下り始めはなだらかなハイマツ帯だが、すぐに岩とハイマツがミックスした急下降(写真)に変わる。岩やハイマツの枝にアイゼンの爪が引っかかりやすいため、注意しながら下って行く。
10分ほどでシラビソ林に入ると、ゆるやかな良く締まった雪道の下りに変わる。

10:54 第二展望台に到着(写真)。小休止。

展望台と言うだけあり、箕冠山から硫黄岳、横岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳、峰の松目、鳳凰山、北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、白岩岳、釜無山、入笠山、空木岳、木曽駒ヶ岳などを一望する。
ただ、山頂での大パノラマを見た後では、やはり物足りなさが残る。

10:57 第二展望台を出発。

すぐ先のピークを越え、ゆるやかに下る。いったん右に外した尾根に乗り返すと、ほどなく細い尾根の先が開ける。

11:13 第一展望台に到着(写真)。昼食。

第二展望台より開けている。
露出した岩をベンチ代わりに昼食を取る。

11:27 第一展望台を出発。

雪とアイスバーンのミックスが続く樹林帯(写真)をひたすら下る。

11:49 唐沢鉱泉分岐に到着(写真)。

直進は枯尾の峰方向。
Uターン気味に右に下り折り返すと、長くゆるやかなトラバースが続く。
10分あまりで折返しの下りに変わり、広々とした沢に降りて行く。

 

沢が凍り付き、下を水が流れるアイスバーン(写真上)を慎重に下ると、眼下に角名川に架かるゃくなげ橋と左奥に唐沢鉱泉(写真下)が見えてくる。

12:18 西尾根登山口に到着。

林道を左に進む。

12:21 天狗岳登山口駐車場に到着。


 感想

天狗岳は2005年9月に唐沢鉱泉から反時計回りに周回、2014年2月に渋御殿湯から往復と今回で3回目になる。
暖冬と早春ということもあり、全体に雪が少ないのは予想していたが、これほどアイスバーンがあるとは思わなかった。
登山口から渋の湯・唐沢鉱泉分岐までと第二展望台から登山口までアイスバーンだらけ。アイゼンなしでスタートしたが、岩と雪とアイスバーンのミックスに10分ほどでスノースパイクを装着。黒百合ヒュッテから12本爪アイゼン。下山は12本爪アイゼンで通した。
樹林帯の中はもちろん、山頂でも風がほとんどなく、ノンビリと360度の大パノラマを満喫した。八ヶ岳連峰から奥秩父山塊、南アルプス、中央アルプス、北アルプス、頸城山塊、浅間連峰といつまでも見飽きない。
西天狗岳山頂からの下り始めの岩場は雪が少なく歩き難いが、樹林帯の中は良く締まった雪の稜線を気持ち良く下る。
雪山初心者には、道路に雪がなくアプローチしやすい今が登り頃かも知れない。


 日帰り温泉

信州原村 八ケ岳温泉 もみの湯

平日ということもあり(新型コロナの影響も?)、入浴客は3〜4人ほどで、ノンビリ汗を流す。
泉質はナトリウム-硫酸塩・塩化物ということで、それほど温泉温泉してなくサラッとした肌触り。
内風呂と露天風呂、サウナと極標準的。広々とした休憩室あり。
リピートあり。