御嶽山 3,067m
◎ 山行情報
山行日 2019年8月26日(月) 快晴のち曇り
山頂所在地/山域 長野県・岐阜県/中央アルプス(北アルプスに含める説が一般的か)
アクセス/出発地 車/黒沢口六合目駐車場から往復
行程詳細 黒沢口六合目駐車場(5:17-5:45)→ 飯森小屋(八海山支店)(6:15)→ 黒沢口七合目行場山荘(6:24)→
黒沢口八合目女人堂(7:05-7:10)→ 石像群(7:15-7:17)→ 石室山荘(7:54)→ 覚明堂休泊所(8:04)→
二ノ池・頂上・黒沢口分岐(8:06)→ 黒沢十字路(8:10)→ 御嶽山(剣ヶ峰)山頂(8:26-8:36)→ 黒沢十字路(8:47)→
二ノ池山荘(8:55)→ 二の池ヒュッテ(9:00)→ 賽の河原(9:12)→ 避難小屋(9:19)→ 三ノ池乗越(9:22)→
摩利支天乗越(9:31)→ 展望台(9:34-9:36)→ 摩利支天山山頂(9:51-9:58)→ 摩利支天乗越(10:11)→
飛騨頂上(10:28-10:31)→ 五の池小屋(10:34-10:42)→ 継子岳山頂(11:07-11:38)→ 継子岳二峰(11:48)→
四ノ池渡渉点(12:08)→ 三・四・五ノ池分岐(12:20)→ 開田頂上(12:33)→ 巻き道三ノ池分岐(12:46)→
三ノ池乗越分岐(13:02)→ 賽の河原(13:10)→ 二ノ池山荘(13:26)→ 二ノ池・頂上・黒沢口分岐(13:32)→
覚明堂休泊所(13:34-13:37)→ 石室山荘(13:45)→ 黒沢口八合目女人堂(14:17-14:22)→
黒沢口七合目行場山荘(14:50)→ 飯森小屋(八海山支店)(14:58)→ 黒沢口六合目駐車場(15:23)
所要時間/距離 行動時間:8時間22分 休憩時間:1時間16分 合計:9時間38分/16.9km
服装/装備 長袖シャツ、半袖シャツ、トレッキングタイツ、トレッキングパンツ、登山靴、ヘルメット(未使用)
GPSログ GPX KML 標高CSV 商用以外であれば自由に利用できます。
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この地図は、国土地理院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。 無断転載を禁じます。 |
ルート図
◎ 山行記録
5:17 黒沢口六合目駐車場に到着(写真)。
平日にもかかわらず、広い駐車場はすでに6割り方埋まっている。朝食を取っている間にも次々と車が来る。 休憩舎の前にバス停、左隣にトイレがある。
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5:45 黒沢口六合目駐車場を出発。
トイレの左横から登山道(写真)に入り、祠を見ると朽ちかけた木の階段が続く。 しばらくは下生えの笹の間をゆるやかに登り、再び祠を見るとやや傾斜を増しジグザグに登るようになる。 気温は16度ほどだが、途中で暑くて汗ばみ始め、早めに温度調節のため長袖を脱ぐ。
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6:15 飯森小屋(八海山支店)に到着(写真)。
参拝休憩所とあるので登山者小屋ではなさそうだ。鐘をたたいてみた。 再びゆるやかな登りが続き、右にロープウェイ山頂駅への道を見送る。
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6:24 黒沢口七合目行場山荘に到着(写真)。
山荘はまだ開いてない。 行場跡の枯れ沢を越え、百間滝への遊歩道を左に見送る。 木の階段は傾斜を増し、樹林帯から変わった潅木帯を抜けると女人堂に登り着く。
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7:05 金黒沢口八合目女人堂に到着(写真)。小休止。
売店もあるようだ。前の休憩場からはこの日初めて北アルプス、八ヶ岳、中央アルプスの一部などの展望が広がる。
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7:10 黒沢口八合目女人堂を出発。
すぐ先の御嶽神社八合中社(写真)の前を通り、潅木帯をゆるやかに登ると、5分ほどで開けた石像や石仏の置かれた展望の良い場所に出る。
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北アルプス |
八ヶ岳、中央アルプス |
7:15 石像群に到着。撮影。
女人堂の休憩場よりも展望が良く、北アルプス(写真上)、八ヶ岳、そして中央アルプス も全域(写真下)を一望できる。展望としてはここの方が遙かに良い。
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7:17 石像群を出発。
ほどなく森林限界を迎え、ハイマツ帯からザレ場を急登するようになる(写真)。徐々にゴロゴロする大きな岩を縫うように折り返して急登する。
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7:54 石室山荘に到着(写真)。
入口に「頂上へは小屋の中を通り抜けです」とあったので通り抜けたが、別の登山道があるのだろうか?
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さらに大岩がゴロゴロする登山道を急登し(写真上)、覚明堂休泊所、二ノ池・頂上・黒沢口分岐を過ぎると前方に剣ヶ峰が見え(写真下)、ほどなく黒沢十字路に出る。 王滝頂上への巻き道は跡形もなく、現在は丁字路となっている。
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木の階段を登り、途切れてからひと登りでシェルター(写真上)と慰霊碑のある場所に出る。 最後の石段を登る途中には破壊された石灯籠(写真下)があり、噴火の驚異を物語る。
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8:26 御嶽山(剣ヶ峰)山頂に到着(写真上、中、下)。小休止。
正面に御嶽神社黒沢口頂上奥社(写真上)があり、左手に山頂標柱(写真下)や三角点、ベンチなどがある。 ほぼ360度の大パノラマが広がる。少し雲が湧き上がってきているが、北アルプス、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、白山などの展望にはまだそれほど影響はない。
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8:36 御嶽山(剣ヶ峰)山頂を出発。
階段下の慰霊碑(写真)の前に立ち冥福を祈ったあと、賽の河原へと向かう。 黒沢十字路で左の二ノ池へと下り、覚明入定の地の石像の前を通り二ノ池山荘へと向かう。
横のプレートには「水蒸気噴火、犠牲者58名、行方不明者5名」とある。また火口から500mとある。
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8:55 二ノ池山荘に到着(写真上)。
二ノ池の南側の大部分に火山灰が厚く積もっている(写真下)。 山荘裏手で通行禁止の剣ヶ峰への道を左に見送り、尾根を横切るように右に道を取る。 すぐに分岐を左の二の池ヒュッテ経由で賽の河原に下る。
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岩とハイマツのミックスをゆるやかに下り、無数の石積みが見える賽の河原(写真)に降り立ち、ゆるやかに登り返して避難小屋の建つ三ノ池縁に立つ。
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すぐにペイントが記された岩(写真)のある三ノ池への分岐にでる。ここは古い分岐点で、現在は通行できない。
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そのまま岩場をゆるやかに登るが、気付くと三ノ池への道を見逃していて、岩場の急登から摩利支天乗越に立つ(写真)。
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9:31 摩利支天乗越に到着。
左に尾根をたどり、分岐から右の展望台に立ち寄る(写真)。 小さなピークで、360度の展望が広がる。ただ西側の白山以外はだいぶ雲が湧いていてあまり良くない。
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すぐに分岐に戻り摩利支天山へと向かう。 尾根中腹に付いた道はタイトなアップダウンが続き(写真)、これまで以上に足元に注意して進む。
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9:51 摩利支天山山頂に到着(写真)。小休止。
山頂はナイフリッジのようで狭いが、ちゃんと山頂標識と三角点がある。 かなり雲が湧いて遠景はほとんど望めない。
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9:58 摩利支天山山頂を出発。
摩利支天乗越まで戻り(写真)、ハイマツと岩のミックスした北東の尾根を折り返して下る。 ゆるむと右からの巻き道が合わさり、左に五の池小屋を見てストーンサークル(?)のある場所に上がる。 左に飛騨頂上神社の祠が祀られた飛騨頂上がある。
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10:28 飛騨頂上に到着(写真)。小休止。
山頂標識がある。
10:31 富飛騨頂上を出発。
出発と言っても直下に五の小屋がある。
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10:34 五の池小屋に到着(写真)。小休止。
テラス風の休憩場所が気持ち良い。イスもクッション張りと豪華だ。山バッジ購入。
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10:42 五の池小屋を出発。
すぐ北側の分岐(写真)で左に小坂口登山道を見送り、継子岳へと向かう。かなりガスって継子岳山頂が見えない。
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砂礫の尾根のゆるやかな登りからP2812あたりで岩場を越え、ハイマツ帯から屑石の積み重なったコブを2つ越える。2つ目はかつて見たことのないようなトゲトゲしい屑石の間をたどり(写真)、ひと登りで継子岳山頂に出る。
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11:07 継子岳山頂に到着(写真)。昼食。
広々とした山頂で、気持ちが良い。 北端で近くに遮る山がないため、展望は良さそうだが、今は空一面雲に覆われ展望はまったくきかない。 単独の登山者が2名訪れたが、すぐに下山し、ほぼ貸し切り状態で昼食を取る。ここまで来る登山者自体が少ないのだろう。
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11:38 継子岳山頂を出発。
屑石の積み重なった登山道を慎重に下ると、鞍部は砂礫帯へと変わる。この辺りはコマクサの群生地のようだ。ほとんど花が散り赤黒い実を付けている中、一株だけ咲き残ったコマクサ(写真)を見つける。
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ゆるやかに登り返して、祠の祀られた継子岳二峰(写真)に立つ。 ここからは岩とハイマツの間を一気に150mほど下り、ゆるむと小さな沢に出る。
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12:08 四ノ池渡渉点に到着(写真)。
石を伝って渡り、ハイマツ帯の尾根を登る。
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三・四・五ノ池分岐に登り着き、眼下に三ノ池を見ながら時計回りにたどる。 三の池道には崩壊地が何箇所か見て取れる(写真)。この道が解禁されればかなり時間短縮、体力温存になりそうだ。
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12:33 開田頂上に到着(写真)。
避難小屋があるが、山頂標識は見当たらない。
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さらにアキノキリンソウ(写真)を見ながら三ノ池を時計回りにたどるが、すぐに西側の摩利支天乗越から五の池小屋に延びる尾根に向かって急登する。
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ハイマツ帯を岩を縫うように登り(写真)、三ノ池乗越分岐で五の池小屋への道を右に見送り、トラバース気味に尾根に沿ってゆるやかに登る。
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途中2箇所のガレ場(写真)があるが、踏み跡がしっかりしているので危険はない。
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2箇所目のガレ場を越えると最後の踏ん張りどころで、イワギキョウ(写真上)に勇気付けられて岩場を急登し、分岐のある三ノ池乗越(写真下)に出る。ここは摩利支天山に向かうとき見逃していた場所になる。道標があり規制ロープも張られているのに、なぜ見逃したのだろう。 賽の河原まで降り東側の規制ロープに沿って登り返す。
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二ノ池山荘が見え始めると、先行する登山者が立ち止まってカメラを構えていた。そう、3羽のライチョウの親子(写真)が姿を現したのだ。ひとしきり写真を撮り先に進む。
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二ノ池山荘先の分岐(写真)を左に進む。埋もれた道標(写真)は噴火のためか!? ピークを左に巻いて進むと、ほどなく二ノ池・頂上・黒沢口分岐に降り立ち、往路をたどる。
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13:34 覚明堂休泊所に到着(写真)。小休止。
2時間ほど歩きっぱなしだったため、一息入れる。
13:37 覚明堂休泊所を出発。
往路を下る。
13:45 石室山荘に到着。
山荘内では多くの登山者が休憩している。
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14:17 黒沢口八合目女人堂に到着。小休止。
ここでも多くの登山者が休憩している。
14:22 黒沢口八合目女人堂を出発。
14:50 黒沢口七合目行場山荘に到着。
14:58 飯森小屋(八海山支店)に到着。
15:23 黒沢口六合目駐車場に到着(写真)。
雨が降ったようでトイレ横に水溜り(写真)ができていた。また、ほとんどの登山者はすでに下山し、 駐車場はガラガラ状態。
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◎ 感想
2008年7月に王滝口登山道から登って以来11年ぶり。実質御嶽山山頂となる剣ヶ峰への道も解禁されたため、北アルプス小蓮華山の予定を急遽変更。
登山口から八合目女人堂まで延々と木の階段が続き、ひたすら我慢の登りとなる。途中ところどころに階段の木が湿っていたり、泥濘があったりするので、足の置き場に気を使った。幸いスリップすることはなかったが。。。
森林限界の八合目からは火山岩がゴロゴロする急登が続くが、それほどの急登がないためマイペースを維持でき、規制ロープを外れなければ危険もない。念のためヘルメットを携行したが、使わなかった。
摩利支天山へは乗越から岩尾根中腹をたどるが、足元がタイトな岩場を細かくアップダウンを繰り返すため、足元を注意しながらたどった。八合目で森林限界を越えれば展望が広がり、北アルプスや八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、白山などが見られる。特に最高峰の剣ヶ峰からはほとんど360度の大パノラマが広がる。ただ、剣ヶ峰に立った8時30分頃には雲が湧き始めていたので、展望目的ならできるだけ早めの行動が良さそうだ。
現在歩けるルートをほぼたどる長い行程だったが、素晴らしい展望と継子岳鞍部のコマクサ、二の池ヒュッテ手前のライチョウ親子を見られ最高の山行になった。
多くの登山者は黒沢口から剣ヶ峰、せいぜい二ノ池を廻る程度なのだろう。二ノ池から先はグッと登山者の姿が減り、継子岳に至っては訪れたのは私以外2人だけだった。お蔭で中盤は静かな山行を満喫できた。
最後に2014年の噴火で犠牲になられた方のご冥福を祈ります。