硫黄岳、横岳(積雪期)

硫黄岳 2,760m 横岳 2,829m(積雪期)

 山行情報

山行日       2015年2月28日(土) 快晴

山頂所在地/山域  長野県/八ヶ岳連峰 南八ヶ岳

アクセス/出発地  車/八ヶ岳山荘駐車場 美濃戸口から周回

行程詳細      八ヶ岳山荘駐車場(美濃戸口)(5:10-6:15)→ 美濃戸(7:10-7:25)→ (北沢)→ 堰堤広場(7:59)→
          赤岳鉱泉(8:50-9:20)→ 赤岩の頭(10:40-10:45)→ 硫黄岳山頂(11:10-11:35)→ 硫黄岳山荘(11:52)→
          横岳山頂(奥の院)(12:45-12:55)→ 三叉峰(13:07)→ 石尊峰(13:17)→ 地蔵の頭(14:00-14:10)→
          (地蔵尾根 )→ 行者小屋(14:40-14:55)→ (南沢)→ 美濃戸山荘(16:02-16:05)→
          八ヶ岳山荘駐車場(美濃戸口)(16:43)

所要時間/距離   行動時間:8時間35分 休憩時間:1時間53分 合計:10時間28分/19.5km

服装/装備     アウタージャケット、長袖山シャツ、長袖シャツ、バラクラバ、ネックウォーマー、トレッキングタイツ、トレッキングパンツ、
          防寒パンツ、雪山登山靴、ゲーター、アイゼン、スノースパイク、ピッケル

GPSログ      GPX  KML  標高CSV    商用以外であれば自由に利用できます。

   この地図は、国土地理院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。
   無断転載を禁じます。

ルート図      


 山行記録

5:10 八ヶ岳山荘駐車場(美濃戸口)に到着(写真)。

7日の赤岳登山より少し早かったが、すぐ下の駐車場はほぼ満車状態だった。
30分ほど仮眠する。

6:15 八ヶ岳山荘駐車場(美濃戸口)を出発。

太陽は出ていないものの、すっかり明るい。
歩き慣れた林道を左に進む(写真)。例のS字カーブでは登れない車がバックで戻っていたため、4台ほど待っている。その横をすり抜けて先に進む。
路面はカチンカチンに凍っている。初めてのスノースパイクが威力を発揮してくれた。
足元の不安はまったくない。かと言って、アイゼンのような食い込み感がないため歩き易い。

7:10 美濃戸山荘に到着(写真)。トイレ休止。

チップトイレが使用できる。

7:25 美濃戸山荘を出発。

大きな八ヶ岳の看板(写真上)がある北沢・南沢分岐を左の北沢に入る(写真下)。
ここからは積雪期未体験ゾーンになる。

途中2箇所のショートカット道があり、1つ目(写真)はかなり大幅なショートカットになり、2つ目のシュートカットで右に堰堤を見る。

山荘の備品倉庫のような小屋を過ぎ、堰堤広場先の短い橋(写真)を渡る。ここで休憩している登山者もいる。
渓流を何度か渡り返しながら、しばらくは渓流沿いをゆるやかに登って行く。

渓流を離れてシラビソ林(写真上)に入ると、ほどなく樹間に赤岳鉱泉が見え、青白いアイスキャンディ(写真下)が目の前に現れる。

8:50 赤岳鉱泉に到着(写真)。小休止。

思ったより多くの登山者が休憩している。
ピッケル、アイゼンを準備し、要らないだろうとは思いつつ、バラクラバ、ネックウォーマを身に付ける。

9:20 赤岳鉱泉を出発。

先行登山者の後を追って、アイスキャンディのゲート奥のテント場横(写真)から入る。
こんな中途半端なトレースだろうかと疑念を抱きつつ、ツボ足の痕跡をたどる。
すぐに右からの明確なトレースに出て、左へ進む。小屋の前あたりに入口があるようだ。
ところどころに赤布があるので夏道のようだ。

ゆるやかなアップダウンから、ひとしきり急登(写真)が続き、一息入れながら登る。

前方の樹間の切れ目に横岳を見ると、ほどなく樹林帯を抜け赤岩の頭直下の急斜面下(写真)に出る。見上げると垂直の雪の壁に見えるが、取り付いてみると、ステップ状の足跡を忠実にたどればそれほど難しくはない。
登り切ると赤岩の頭と硫黄岳のコルに飛び出す。

10:40 赤岩の頭に到着(写真)。小休止。

実際の赤岩の頭は西側のピークのようだが、すぐ右にある道標にはここが赤岩の頭とある。
ひとしきり展望を堪能してから硫黄岳山頂を目指す。

10:45 赤岩の頭を出発。

しばらく北東の稜線(写真)をゆるやかに登り、肩のように見える岩稜帯を左に回り込んで上がる。さらに山頂直下の岩場は右に回り込むトレースを横目に、左に回り込み、短い急斜面を登る。

11:10 硫黄岳山頂に到着(写真右)。小休止。

風もそれほどなく、ひとしきり記念撮影をしてから、大パノラマを堪能する。
南に横岳、赤岳、阿弥陀岳、権現岳、その奥に南アルプス、
西には入笠山、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北には間近に天狗岳、蓼科山、霧ヶ峰、その奥に北アルプスと日本の主峰が連なる(写真下)。

霧ヶ峰、北八ヶ岳 南八ヶ岳、南アルプス 中央アルプス

 

御嶽山 乗鞍岳 北アルプス

11:35 硫黄岳山頂を出発。

南へと延びる稜線を横岳や赤岳を見ながら下る(写真)。思った以上に傾斜がある。
硫黄岳山荘を過ぎると、いよいよ横岳への登りが始まる。
少し登り振り返ると赤岩の頭直下の急斜面に取り付く登山者が見えている。

台座の頭(P2795)の北から西へと目印の杭に沿って斜面を登るが、それほどの急登でもないのにかなりキツク、頻繁に立ち止まり一息つく(写真)。
台座の頭の西の肩のようなところで、暑くてネックウォーマーとバラクラバを外す。

横岳奥の院、小同心、大同心

前方には横岳奥の院、小同心、大同心さらには南アルプス(写真)が見えてくる。

肩のようなところから尾根筋を登り、台座の頭を左に見てなだらかなピークに向かってトラバース(写真)する。

富士山
横岳

P2795の南側のなだらかなピークに立つと一気に展望が開け、今日初めての富士山(写真上)を始め横岳の三叉峰、無名峰、奥の院、そして南アルプスや阿弥陀岳(写真下)を見る。

5分ほどの下りの先には、今日初めての難所カニの横バイ(写真)と縦バイが待ち受けていた。
横バイは数メートルと短いが、ほとんど垂直に見える岩壁に一足分ほどの雪の道があるだけ、掴まるクサリなどはなく、斜面にピッケルを刺してもスカスカで支え切れそうもない。
足元の雪が崩れたら即滑落の恐怖心が湧いてくる。

慎重に渡り終えると縦バイ(写真)だが、鎖を補助に露出した岩を手掛かりにすれば問題はない。ただ邪魔になるのでピッケルは仕舞ったほうが良い。

短い鉄バシゴ(写真上)を登り、天空に延びる細い稜線(写真下)をたどれば、ほどなく横岳山頂に登り着く。

富士山、横岳、赤岳、仙丈ヶ岳
蓼科山、硫黄岳

12:45 横岳山頂(奥の院)に到着(写真上)。小休止。

後続の登山者に写真を撮ってもらう。
進行方向には横岳の峰々から赤岳、富士山、南アルプスなど(写真中)、振り返れば蓼科山や天狗岳などの北八ヶ岳から硫黄岳、さらには北アルプスや浅間山など(写真下)の大パノラマが広がる。

12:55 横岳山頂(奥の院)を出発。

ゆるやかな下りから雪が飛ばされ石の露出した稜線を登り、三叉峰を左に巻く(写真)。

狭い稜線をたどり、大権現の石碑とケルンがある石尊峰(写真)に登り着く。悲惨な災害の記憶も新しい御嶽山が噴煙を上げている。

稜線の東側を少し下ると、クサリに沿って西側の斜面に出て横切るが、途中でクサリがなくなるため慎重に進む(写真)。傾斜はそれほどではないが、誤って足を滑らせれば谷底へ真っ逆さまだろう。

富士山

クサリの連続から稜線を乗り越し、今日一番の富士山(写真上)を見て、日ノ岳の東から南急斜面のルンゼ(写真下)に入る。
覗き込むほどの急斜面に怖さはないものの、トレースの段差が大きいところがあり歩き難い。
これで終わりかと思えば、すぐにやや短いが同じような斜面を急下降する。
小さなアップダウンからクサリやハシゴを過ぎ、ゆるやかな登りから地蔵の頭に着く。

横岳

14:00 地蔵の頭に到着(写真上)。小休止。

緊張から解放され一息入れながら、降りて来た横岳を振り返る(写真下)。

ルンゼに付いたトレースを見ると、緊張感が甦ってくる。

14:10 地蔵の頭を出発。

7日のときよりもかなり上にトレースが付いたナイフリッジ(写真)をサクサク越え、その先の右尾根への下りも明確なトレースやステップが付けられ歩きやすくなっている。

見覚えのあるクサリの出た尾根(写真上)を下り、最後の急斜面(写真下)を初のシリセードで下ってみた。
なかなか楽しく、病みつきになりそうだ。

14:40 行者小屋に到着(写真)。小休止。

ピッケルを仕舞い、アイゼンをスノースパイクに変える。

14:55 行者小屋を出発。

雪がゆるくスノースパイクでは滑る場面もあったが、下るにつれそれもなくなる。
途中で団体に追いつくが、良いペースだったので後ろに付く。

16:02 美濃戸山荘に到着(写真)。小休止。

16:05 美濃戸山荘を出発。

S字の手前をショートカットする。

16:43 八ヶ岳山荘駐車場(美濃戸口)に到着。


 感想

7日の赤岳に続き、この日も天候に恵まれ、各山頂からの大パノラマを堪能した。
硫黄岳までならば、多少の雪や風があっても行けそうだが、横岳はどうだろうか?トレースさえ見えていればなんとかなるとは思うが。。。自信はない。
この日は足が攣ることもなく歩き通せたが、赤岳の時との違いは、水分補給の頻度だろうか。今回は500ml2本をほぼ飲み干し、プラスして水筒のお茶も半分ほど飲んでいた。やはり水分補給は重要だ。とは言っても、硫黄岳山荘から台座ノ頭への登りは足が動かず、何度も立ち止まりながらになった。
横岳から地蔵の頭への下りはそれほどでもなかったが、カニの横ばいは数メートルと短いながらさすがにビビった。足場は狭く、いつ崩れてもおかしくない状態で、横の壁にピッケルを差しても手応えがない。もし、足場が崩れたら支えることは不可能で、そのまま谷底に真っ逆さまだろう。


 日帰り温泉

信州原村 八ケ岳温泉 もみの湯

7日の赤岳登山に続いてのリピート。この日はやたらと混んでいた。同じ時間帯で7日はノンビリゆったりだったのに。。。