富士山御中道
2021.10.01
富士山御中道
◎ 山行情報
山行日 2019年11月06日(水) 快晴
山頂所在地/山域 静岡県・山梨県/富士山
アクセス/出発地 車/富士宮口五合目駐車場から周回
行程詳細 富士宮口五合目駐車場(6:00-6:22)→ 富士宮口新六合目(6:35)→ 主杖流し取り付き(7:58)→ 不動沢降り口(9:06)→
大沢崩れ左岸道口(9:54-10:10)→ 大沢休泊所(10:47-10:52)→ 前沢(10:59-11:01)→ 仏石流し(11:21)→
滑沢(11:31)→ 御庭山荘(11:59-12:15)→ 富士スバルライン五合目(12:48-12:54)→ 泉ヶ滝(13:04)→
吉田口六合目・富士山安全指導センター(13:19)→ 獅子岩(13:51)→ 須走口本六合目・瀬戸館(14:18-14:26)→
御殿場口下り六合(15:39)→ 宝永山馬ノ背(15:44)→ 宝永第一火口(15:58)→ 宝永第一火口縁(16:06)→
富士宮口新六合目(16:14)→ 富士宮口五合目駐車場(16:24)
所要時間/距離 行動時間:9時間9分 休憩時間:53分 合計:10時間2分/23.2km
服装/装備 ソフトジャケット、長袖シャツ、半袖シャツ、トレッキングタイツ、トレッキングパンツ、登山靴
GPSログ GPX KML 標高CSV 商用以外であれば自由に利用できます。
静岡県側 |
山梨県側 |
この地図は、国土地理院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。 無断転載を禁じます。 |
ルート図
◎ 山行記録
6:00 富士宮口五合目駐車場に到着。
富士宮口五合目に近い場所に駐車。 意外に車が多いのは、日の出を見に来た観光客のようだ。
6:22 富士宮口五合目駐車場を出発(写真上)。
富士宮口五合目の階段を上がり、見慣れた五合目標識(写真下)を見送る。 短い溶岩帯から公衆トイレを過ぎ、ブル道と平行する登山道をゆるやかに登る。 富士宮口新六合目手前のブル道に入ることも考えたが、思い直し先に進む。
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6:35 富士宮口新六合目に到着(写真上)。
宝永山荘とトイレの間の登山シーズンの登り口は閉ざされているため、トイレの先を左に入る(写真下)。 すぐに溶岩帯の急登から赤っぽい火山礫の急斜面を規制ロープに従ってジグザグに登る。
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15分ほどで前方に直角の矢印が書かれた岩が見えたら左に入り(写真上)、すぐにブル道と合流し、少し先の右に折れるところを直進する(写真下)。
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砂礫の斜面に付いたゆるやかに下る明確なトレースをたどり(写真)、左の新五合目からのトレースが合わさったところで岩場を右に回り込む。
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しばらくして大きな沢状の場所(写真上)でトレースが不明瞭になるが、対岸の中道と書かれた岩(写真下)を目指して横切る。
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天子山地、南アルプス |
短い潅木帯を抜けると南から西にかけて、愛鷹山から天城山、駿河湾、身延山地、天子山地、南アルプス(写真)などの展望が広がる。
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すぐにかなり深い断崖状の沢に行き当たり(写真)、40mほど上流を迂回する。 しばらく火山礫の急斜面をトラバースし、2回目の短い潅木帯を抜けると沢状の岩場に出る。
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7:58 主杖流し取り付きに到着(写真)。
主杖と書かれた岩があるはずなのだが見つけられず、諦める。 すぐに潅木帯に入りゆるやかに下る。 背の低いカラマツに触れるたびに、黄葉した針形の葉が降り注ぎ、払い落としながら進む。ときには首筋に入りチクチクする。
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再び断崖状の沢に行き当たるが、1つ目より規模はかなり小さく、10mほど上流を迂回する。 しばらくはシラビソやハクサンシャクナゲなどの林(写真)をゆるやかに下るが、トレースが不明瞭で赤テープなどの目印を拾いながらたどる。 30分ほどで不動沢の断崖上に出る。
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9:06 不動沢降り口に到着。
正面の岩陰にハシゴ(天の浮橋)が見えるが、壊れかけていてとても降りられそうにないため、他に降り口を探す。 唯一数メートル上の岩場(写真上)が降りられそうで、実際岩の切れ目や木を足掛かりにそれほど手子摺ることなく降りられた(写真下)。
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あらためて下からハシゴ(天の浮橋)(写真)を見ても、足を掛けただけで壊れそうな感じで、避けたのは正解だったようだ。
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不動沢を横断するように100mほど下る(写真上)と、正面右の木立のあたりに赤テープ(写真下)が見えてくる。 その赤テープあたりから樹林帯に入る(写真下)。
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しばらくは赤テープや文字の消えた道標(写真)を拾いながら、ダケカンバやシラビソ、ハクサンシャクナゲなどの林をトラバース気味にゆるやかに下る。
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正面に大沢崩れ対岸の断崖が見えたら(写真)尾根に沿って下る。
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すぐに現れたモノレールに沿って下り(写真)、10数分で右にカーブして大沢崩れの左岸道口に出る。
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9:54 大沢崩れ左岸道口に到着。小休止。
苔のついた標石(写真上)がある。 大沢休泊所の見晴台から見る大沢崩れは、時折岩が落ちてきたりする急斜面だが、ここから眼下に見下ろす大沢崩れ(写真下)は傾斜がゆるやかで緊迫感はない。
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10:10 大沢崩れ左岸道口を出発。
階段を降り大沢崩れを横切り、モノレールに沿って登る。途中で階段を折り返して登り、再び現れたモノレールに沿って尾根を急登する(写真)。
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10:47 大沢休泊所に到着(写真)。小休止。
やっとの思いで見慣れた休泊所にたどり着き、ほっとする。
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10:52 大沢休泊所を出発。
すぐに涸れた沢を横切り、しばらくして前沢(写真)に出る。大きく崩壊して、以前あった前沢と刻まれた標石や簡易の階段がなくなり、見る影もない。 沢を横切り少しして工事用仮説通路を左に見送る。
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以前と変わらず標石のある一番沢(写真上、中)を過ぎ、付け替えられた道を左に見送ると、ほどなく仏石流し(写真下)に出る。 以前のなだらかな沢が、断崖状に抉られている。
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無理をすればすぐ上流をたどれそうだが、80mほど下流に見える土嚢まで下り(写真)対岸に上がる。
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さらに滑沢(写真上)は以前の道から100mほど下流を横切り、シラビソ林をおだやかにたどり、溶岩帯(写真下)から林道に出てほどなく御庭山荘跡に着く。
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黄葉と富士山 |
11:59 御庭山荘跡に到着(写真右上)。昼食。
以前あった朽ちかけた山荘がなくなり、広場になっていた。 黄葉の先に雪を頂いた山頂を見る(写真右下)。 少し下って展望を楽しむ。奥に南アルプス、八ヶ岳、奥秩父山塊、手前に御坂山地、道志山塊などを一望する(写真下)。
御庭山荘跡からのパノラマ |
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12:15 御庭山荘跡を出発。
すぐに寄生火山の休憩所(写真)を見送り、遊歩道のように歩きやすい御中道をゆるやかにたどる。
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12:48 富士スバルライン五合目に到着(写真)。小休止。
賑わう多くの観光客を横目にノンビリと休憩する。
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12:54 富士スバルライン五合目を出発。
吉田ルートに入り道志山塊を見ながら泉ヶ滝(写真)を右に入る。 流出した火山礫や崩落で大きく抉られた道をたどり、シェルターを抜け富士山安全指導センター前に出る。
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13:19 吉田口六合目・富士山安全指導センターに到着(写真上)。
ブル道から登山道に入り直し、休業中の雲海荘別館穴小屋の前を通り、吉田ルート下山道(写真下)に入る。
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ゆるやかな登りは1つ目のシェルターから急登となり(写真上)、3つ目のシェルターを過ぎ獅子岩のある尾根でゆるむ。ここで登山道から左の御中道に入る。黄色の丸印の付けられた岩が目印になる(写真下)。 しばらく火山礫の斜面上に付けられたピンクのテープをたどり、その後は潅木帯が続く。
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14:18 須走口本六合目・瀬戸館に到着(写真)。小休止。
ベンチとテーブルがあり、展望を楽しみながらノンビリする。道志山塊から山中湖、箱根山、伊豆の山並みを一望する。
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14:26 須走口本六合目・瀬戸館を出発。
すぐに登山道を左に外し、御中道に入り直す。前方には須走ルート下山道の規制ロープが見えている。溶岩帯を交えてわずかに高度を上げながら斜面(写真)をたどる。
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前方に宝永山が見えてきたら、いったん入った御殿場口登山道を離れ(写真上)、御殿場口下り六合を目指す。 踏み跡はほとんどないが、比較的新しいピンクテープや岩に着けられた白ペンキを拾って斜面をたどる(写真下)。
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15:39 御殿場ルート下り六合に到着(写真)。
ここまで来れば、この先は1ヶ月ほど前に歩いた道なので一安心する。
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宝永山馬ノ背で右に道を取り、ザクザクの火山礫の急下りを駆け降り(写真)、宝永第一火口からゆるやかに登り返す。
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宝永山 |
16:06 宝永第一火口縁に到着(写真上)。
振り返ると夕陽に染まりかけた宝永山(写真下)が大きい。 富士宮口新六合目を経由して溶岩帯を下れば、ほどなく富士宮口五合目に降り立つ。
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16:24 富士宮口五合目駐車場に到着(写真)。
この時間はさすがに駐車場はガラガラ。
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◎ 感想
御庭から大沢崩れまでは3度ほど歩いているが、周回するのは今回が初めて。距離的に22kmを越えるが、言っても六合目あたりを周回するだけだから、まあ余裕だろうと高を括っていた。
ところが火山礫のしかも急斜面のトラバースは、崩れやすく、踏ん張りが利かず、バランスを崩しやすい。まるで新雪の急斜面をトラバースしているようだった。もし足をすくわれれば、確実に滑落する。
富士宮口六合目から大沢休泊所間のトレースは明確だが、砂礫の急斜面が崩れやすくバランスを崩すと滑落の危険あり。
主杖流し取り付きの前後に断崖状の沢があり、上流への迂回を余儀なくされる。
不動沢への降り口の天の浮橋は崩壊寸前で、左は断崖なのでちょっと渡る気にならない。すぐ上の岩場を降りる方が確実だと思う。
大沢休泊所から御庭山荘までは、一番沢以外崩壊が進み、道が付け替えられている場所がある。
吉田口六合目から御殿場口下り六合目は、目印も豊富で斜面の傾斜もキツクなく比較的歩きやすい。
それにしても前沢、仏石流しの崩壊には驚いた。以前の姿を知っているだけに、まさに見る影もない状況に自然の驚異を目の当たりにした。
長くてきつくて、延々と続く火山礫地獄に、宝永火口縁に登り着いたときはホッとしたが、なかなか充実して楽しい山行だった。