編笠山、権現岳、西岳(テント泊)

編笠山 2,523.9m 権現岳 2,715m 西岳 2,398m(テント泊)

 山行情報

山行日       2008年7月12日(土) 晴れ / 13日(日) 晴れ

山頂所在地/山域  山梨県/八ヶ岳連峰

アクセス/出発地  車/観音平駐車場から周回

行程詳細      12日 観音平駐車場(6:34-7:00)→ 八ヶ岳横断歩道入口(7:05)→ 八ヶ岳横断歩道分岐(7:29)→ 延命水(7:46)→
              雲海(8:09)→ 展望地(8:38-8:53)→ ヘリポート(9:12-9:20)→ 木戸公園(9:37)→
              前三ッ頭分岐(11:05)→ 三ツ頭山頂(11:10-11:30)→ 権現岳山頂(12:50-13:15)→ 縦走路分岐(13:17)→
              東ギボシ(13:34)→ 西ギボシ(13:40)→ 青年小屋(テント泊)(14:22)
          13日 
青年小屋(4:00-5:20)→ 乙女の水(5:24)→ 西岳(6:19-7:00)→ 青年小屋(8:05-9:05)→
              編笠山山頂(9:34-10:25)→ 押手川(11:24-11:30)→ 雲海(11:56-12:00)→ 観音平駐車場(12:34)

所要時間      12日 行動時間:6時間14分 休憩時間:1時間8分 合計:7時間22分
          13日 行動時間:4時間32分 休憩時間:2時間42分 合計:7時間14分


 山行記録

12日 観音平駐車場〜三ツ頭〜権現岳〜青年小屋テント場

6:34 観音平駐車場に到着。

すでに駐車場の端はグルリと20台ほどの車でうまっている。準備中にも続々と到着するのは、やはり人気の山であることを証明している。

7:00 観音平駐車場を出発。

左側が編笠山方面の登山口になっていて、みんなそちらに入って行くが、ただ1人正面奥の横断歩道方面に入る。
ゆるやかに下って涸れ沢を渡り、八ヶ岳高原ラインへの分岐を右に見送り斜面を登る。しばらく斜面をトラバースすると十字の分岐に出る。

7:29 八ヶ岳横断歩道分岐に到着。

直進は三味線滝・天女山方面、右が八ヶ岳高原ライン方面へと続く。
広い斜面をゆるやかに登って行くと、やがてから松林となり延命水への分岐に出る。飲用不適とガイドブックにあるため寄らずに見送る。
20分ほどで雲海の指導標のある場所に至るが、こちらの登山道にも雲海があるとは思わなかった。展望のない樹林帯の長い尾根道をひたすら登って行くと、尾根上に展望が開ける場所に出る。

8:38 展望地に到着。小休止。

眼前には編笠山が大きくそびえ、南には北岳や甲斐駒ヶ岳などの南アルプスが連なる。

8:53 展望地を出発。

再び尾根道を上り続けるが、この頃からアブがまとわり始め、手で払いながらの登りとなる。

9:12 ヘリポートに到着。小休止。

南側が開け奥秩父山系の瑞牆山・金峰山・大菩薩嶺が続き、中央には富士山、右に南アルプスの山並みが連なる。折角の展望だがアブの大群がまとわり付き、景色の撮影もままならない。

9:20 ヘリポートを出発。

引き続き尾根道を上り続け、やや傾斜がゆるむと木戸口公園に出る。左には三角形の編笠山と青年小屋が間近に見えている。また、カキドオシやシロバナヘビイチゴ、キバナノコマノツメ、イブキトラノオなどの高山植物が見られるようになる。
道は次第に傾斜が増し、さらには木の根や岩の段差でキツイ登りとなり、前三ッ頭分岐に登り着く。右は前三ッ頭を経て天女山に至る。左に折れ、編笠山や辿ってきた尾根筋を振り返りながらひと登りする。

11:10 三ッ頭に到着。小休止。

小広いピークの中央に岩が折り重なった場所がある、展望の良いピークだ。北に目を向けると、間近に編笠山と権現岳、そして阿弥陀岳・赤岳が大きく、反対の南には遠く奥秩父山系、富士山、南アルプスが連なる。

11:30 三ッ頭を出発。

眼前に権現岳を見ながら一旦ハイマツ帯をゆるやかに下ってから登り返す。途中でハクサンイチゲやキバナノコマノツメ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマクロユリ、イワベンケイなどを見ながら急登する。

権現岳山頂

12:50 権現岳山頂に到着(写真上)。昼食。

山頂は尖った岩場で、何故か剣が突き刺さっている。いつの間にか空全体がくらい雲に覆われてきたが、降り出すほどでもなさそうだ。

13:15 権現岳山頂を出発。

左前方に権現小屋の青い屋根が見えてくると、間もなく縦走路分岐に出る。クモマナズナ、コイワカガミを見ながら小屋横に下り立つと、北側に権現岳から繋がる稜線の先に阿弥陀岳と赤岳の展望が素晴らしい。
岩峰の東ギボシの中腹に渡されたクサリ場前後に咲くイワギキョウやハクサンイチゲを見ながら、慎重に西ギボシの岩場を過ぎると、前方には青年小屋が見えてくる。しばらく続いた岩稜からダケカンバの林を抜けると間もなく青年小屋に到着だ。

青年小屋テント場

14:22 青年小屋に到着。テント泊。

小屋の裏手にあるテント場(写真下)には5〜6張程度だったが、一部乾き切っていない場所があり選択肢があまりなく、とりあえず石ころの少ない場所を選ぶ。
設営中にも何組かやって来て、ほぼ一杯になる。
水場(乙女の水)は西岳方面に4〜5分行ったところにあり、水量は豊富だ。

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13日 青年小屋テント場〜西岳〜編笠山〜観音平駐車場

4:00 起床、朝食、トイレ。

夜露でテントがビショビショで、雨が降ったのかと思うほどだった。明け方はやや雲が多いものの、青空ものぞき登山日和を思わせる。

5:20 青年小屋テント場を出発。

乙女の水から木に源治新道の標識が掲げられた斜面に入ると、しばらくは鬱蒼としたシラビソ林の中の登りが続く。マイヅルソウの群生が目立つ道はやや下りとなるが、左に編笠山が見え始めると再び登りとなる。足元にチングルマやゴゼンタチバナなどが切れることなく咲いている道を、ゆるやかにアップダウンしながら西岳へと向かう。

西岳山頂

6:19 西岳山頂に到着(写真上)。小休止。

岩が露出する山頂からは南側の展望が得られる。左から編笠山とその稜線上にポッカリと頭を見せる富士山、南アルプスの山並みが訪れるものが誰もなく独り占めできる。
そしてハクサンフウロやチングルマ、タカネイバラ、コケモモ、ゴゼンタチバナ、イブキジャコウソウ、コイワカガミなどがあちこちに咲いている。
ガイドブックなどでは西岳はコースに入っていないことが多いが、途中の花を含め山頂の展望と花はぜひお薦めしたい。

7:00 西岳山頂を出発。

帰路も何度も花の撮影で足を止めながら進む。

8:05 青年小屋テント場に到着。テント撤収。

まだ乾き切っていないが、露を払い落としながら撤収する。この時間には回りはほとんど撤収されて、テント場が広く見える。

9:05 青年小屋テント場を出発。

小屋前から中腹に続く岩場に入り、ペンキを目印に足元に注意しながら登って行く。途中からは山頂まではシャクナゲの木が混じった潅木帯を登るが、足元は岩が続く。

編笠山山頂

9:34 編笠山山頂に到着(写真下)。小休止。

すでに多くの登山者が休憩している山頂は、岩がゴロゴロとしているが広々として360度の展望が得られる。東から雲の上に顔を覗かせる富士山、奥秩父の山々、南アルプスと連なり、西には御嶽山や中央アルプス、北には手前に権現岳とそこから延びる稜線に続く西岳、奥には阿弥陀岳から赤岳、横岳、硫黄岳と延びる八ヶ岳の峰々が連なる。

10:25 編笠山山頂を出発。

シャクナゲなどの潅木の茂る岩の露出した急下りから、シラビソ林の変化のないゆるやかな下りになり、やがて青年小屋からの巻道と合流する。

11:24 押手川に到着。小休止。

編笠山を経由しない巻道がここから青年小屋まで続いている。

11:30 押手川を出発。

八ヶ岳特有の岩の露出した針葉樹林帯をひたすら下る。

11:56 雲海に到着。小休止。

分岐になっていて南側に展望はあるが、編笠岳の展望を見た後ではそれほど心は動かない。

12:00 雲海を出発。

左の観音平方面に下る。次第に笹が深くなり、その後30分ほどは変化のない下りが続く。
平坦路になると右にロッジへの分岐を見送り間もなく駐車場に飛び出す。

12:34 観音平駐車場に到着。


 感想

駐車場はすでに一杯になっている。
初日はアブに泣かされたが、普通の逆に周回したのが幸いしたのか、登山者も少なく静かな山行だった。
権現小屋付近の赤岳を望む展望は素晴らしく、その後の岩場での高山植物も満足できた。そして2日目は西岳と言う思っても見ない展望と高山植物が見られ大満足だった。
ガイドブックではなぜここがコースから外れるのだろうか?往復2時間は押手側経由でも青年小屋に到着後に十分往復できる時間だと思うのだが。。。