鳳凰山 〜 薬師ヶ岳 2,780m 観音ヶ岳 2,840.7m 地蔵ヶ岳 2,764m 〜(テント泊)
◎ 山行情報
山行日 2006年9月9日(土) 晴れ / 10日(日) 快晴
山頂所在地/山域 長野県・静岡県/南アルプス 赤石山脈
アクセス/出発地 車/青木鉱泉駐車場から周回
行程詳細 9日 青木鉱泉駐車場(6:20-6:53)→ 休憩地点(8:26-8:35)→ 南精進ヶ滝(8:59-9:09)→
鳳凰の滝(10:00-10:10)→ 白糸の滝(11:45-12:00)→ 五色の滝(12:35-12:45)→
鳳凰小屋(14:15-15:20)→ 地蔵ヶ岳山頂(16:15-16:40)→ 鳳凰小屋テント場(テント泊)(17:10)
10日 鳳凰小屋テント場(5:00-7:20)→ 休憩地点(8:05-8:15)→ 鳳凰小屋分岐(8:34)→
観音ヶ岳山頂(9:10-9:50)→ 薬師ヶ岳山頂(10:16-11:00)→ 休憩地点(11:40-11:50)→
薬師小屋案内板(12:40-13:20)→ 鳳凰三山入口(13:53)→ 中道登山道入口(14:34)→
青木鉱泉駐車場(15:07)
所要時間 9日 行動時間:7時間53分 休憩時間:2時間24分 合計:10時間17分
10日 行動時間:5時間23分 休憩時間:2時間24分 合計:7時間47分
◎ 山行記録
9日 青木鉱泉駐車場〜鳳凰小屋〜地蔵ヶ岳〜鳳凰小屋テント場
6:20 青木鉱泉駐車場に到着。
先客は5台ほどだが、ほかにも駐車場があるようだ。駐車場の番をしているおじさんに2日分1500円を支払う。
簡単に朝食の後トイレを済ます。
6:53 青木鉱泉駐車場を出発。
駐車場を出て左に進むと、すぐに思ったより大きく立派な青木鉱泉の建物の前に出る。宿の管理人らしい人に挨拶して庭先を横切る。すぐ先に立てられたドンドコ沢の指導標に、いよいよ気持ちが高まって行く。
雑木林に入るとすぐの川沿いと山沿いの分岐を左の川沿いへと進む。数分で帰路となる薬師岳方面の分岐を左に見送り、渓流沿いに水の流れを聞きながらゆるやかに上って行く。ところどころでヒヨドリバナ、シオン、ヤマトリカブトなどの花が見られる。雑木林に入りジグザグの急登の後、ゆるやかな上りが続く。
8:26 休憩地点に到着。小休止。
冷たい水にタオルを浸して顔を拭くと気持ちが良い。
8:35 休憩地点を出発。
ここからはやや急登が続く。南精進ヶ滝分岐を滝方面に直進する。
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8:59 南精進ヶ滝に到着(写真上)。撮影休止。
ガスっているため上部がはっきりしないが、まずまずの滝である。
9:09 南精進ヶ滝を出発。
分岐まで戻り左へ進む。その先は小さなジグザグが続くが、露出した岩や木の根の段差が次第に足に来る。鳳凰の滝分岐を左に入るが、5分ほどで再度分岐があり左へ進む。
10:00 鳳凰の滝に到着。撮影休止。
滝自体は足元からさらに下へと流れ落ちているため、滝のイメージは無い。
10:10 鳳凰の滝を出発。
2つ目の分岐を直進すると間もなく登山道に出て左に進む。この先かなりキツイ上りが続き、腿が攣り始め立ち止まることが多くなる。途中2回10分ほど休憩を取り、腿のマッサージと無理やりおにぎりを1個食べる。不安はあるものの何とか前に進む。
11:45 白糸の滝に到着。小休止。
ここは登山道のすぐ脇にあり、すぐに見られるのが良いが、今日はガスっていてよく見えない。ほんの一瞬だけガスが取れて全体が見られたが、大きな岩に隠れて滝壺は見えないもののまずまずの景観だ。ここでも滝よりも腿を入念にマッサージする。
12:00 白糸の滝を出発。
短い急登の後ゆるやかな上りが続き、ややペースが上がる。ヤマトリカブトやシラネセンキュウが目立ってくる。
沢を渡ると五色の滝分岐に出て左の沢へ下るように道が続き、途中でザックをデポしてオニアザミの中を進む。
12:35 五色の滝に到着。撮影休止。
上部はガスっていてはっきりしないが、三段に落ちるさまは見応えがある。
12:45 五色ノ滝を出発。
来るときは気付かなかったが、道端にタカネビランジが咲いていた。
12:54 五色ノ滝分岐に到着。小休止。
13:00 五色ノ滝分岐を出発。
まだまだ急登が続き、再度五色ノ滝への分岐に出る。左前方下に滝が見えるので、こちらの方がはるかに近そうだ。分岐を右に進むと急登から丸太止めの階段さらに急登と足にツライ上りが続く。
滝の音が聞こえなくなる頃、ダケカンバの林の中上りもゆるやかになってくる。平坦路からゆるやかな沢への下りを過ぎ、しばらくは潅木の生い茂る広い沢を歩く。次第に花崗岩の砂地が多くなり、沢が細まるころ地蔵岳のオベリスクが見え始める。さらにヤナギランの群生が咲き誇る中を進むと、突然小屋の一部が見えてくる。
14:15 鳳凰小屋に到着。テント設営。
多くの人で賑わう中(ほとんどは小屋泊)、テント泊の手続きをする。初めて自分自身で手続きをする。
テント場は砂地で嫌な石ころはほとんどなく、しかもまだ2組ほどが居るだけで好きな場所を選べた。
15:20 鳳凰小屋テント場を出発。
小屋と水場の間を通って登山道に入る。雑木林の中はやや急登が続き、雑木林を抜ける後半は花崗岩の砂地となりやや滑りやすい。しかし、宝永火口から宝永山への上りからみれば何てことはない。途中、撮影しながらノンビリと山頂を目差す。
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16:15 地蔵岳山頂に到着(写真下)。撮影。
山頂は多くの地蔵がある花崗岩の砂に覆われた場所と潅木、そしてシンボルであるオベリスクがそびえる。時間があれば上って見たかったが断念。
16:40 地蔵岳山頂を出発。
途中で眼鏡を忘れた仲間を追いかけて二人組が上ってきた。途中で会わなかったかと聞かれたが、見かけなかったことを伝える。
17:10 鳳凰小屋テント場に到着。テント泊。
いつものように(?)うどんを煮込み、熱々を食べる。疲れてはいるが食欲はあるので明日は大丈夫だろう。
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10日 鳳凰小屋テント場〜観音ヶ岳〜薬師ヶ岳〜木鉱泉駐車場
5:00 起床。
食事、洗顔、トイレを済ます。
ご飯を1パックあっという間にたいらげる。これなら問題なしだ。しかも、昨日と打って変わって、抜けるような青空がまぶしい。
回りは慌ただしく出発して行くが、7時出発を目標にノンビリする。
7:20 鳳凰小屋テント場を出発。
もうほとんど登山者は居ない。
水場の右横に木陰に隠れるように立っている観音岳への指導標を確認して、ヤナギランの間を沢へ降りて行く。大岩を過ぎ鉄梯子を上り後ろを振り返ると、鳳凰小屋の青い屋根がすでに眼下に小さく見える。ダケカンバの中急登が続き、しかも荒れ気味の路面にすぐに息が上がる。
ドンドン高度を上げると、背後には八ヶ岳が一望できる。青い空には木々の緑が映える。さらに30分ほど上ると瑞牆山や金峰山など秩父方面の山々が雲の上に顔を出す。もちろん地蔵岳のオベリスクも間近に見られる。45分ほどで上りがゆるむ。
8:05 休憩地点に到着。小休止。
8:15 休憩地点を発。
8:34 鳳凰小屋分岐に到着。
突然真っ白な花崗岩の砂が目に入り、稜線上に出る。稜線上とはいっても広い斜面が広がり、休憩を取るには良さそうだ。
もう少し先に進むと地蔵岳を始めに、八ヶ岳から奥秩父の峰々が一望できる。足元にはわずかながらタカネビランジがピンクの花びらを見せている。しばし撮影にいそしむ。
ここからは花崗岩の砂礫と岩が連なる登山道が延び、その先に岩が重なり合った観音岳の山頂が見えている。ハイマツと花崗岩の岩の間を進むと、観音岳から延びる尾根の向こうに雲の上に浮かんだ富士山がくっきりと見える。
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9:10 観音岳山頂に到着(写真上)。小休止。
大きな岩が折り重なった山頂からは360度の展望が得られ、飽きることなく堪能できる。北から地蔵岳のオベリスク、その奥に甲斐駒、八ヶ岳、奥秩父の峰々、富士山、南アルプスを代表する北岳と続く。登山道に面したところにある道標とは別に、その奥に三角点があるので見逃さないようにしよう。
9:50 観音岳山頂を出発。
しばらくは下りが続き、途中の巻道は入らず尾根道を進む。やや上りの後、あっけなく薬師岳山頂に着く。
10:16 薬師岳山頂に到着(写真下)。小休止。
観音岳とは打って変わって、山頂は広々としている。
残念ながら富士山は岩陰で薬師岳小屋方面によらないと見られない。その代わりに北岳は真っ正面に大きい。
11:00 薬師岳山頂を出発。
指導標に従って榛松の中の急下りに入るが、すぐにややゆるむものの、露出した岩や根っ子に苦労しながら下る。
11:40 休憩地点に到着。小休止。
階段の踊場のようになっていて、ノンビリ休憩できる。
11:50 休憩地点を出発。
すぐに大きな岩に出合う。手書きでゴザイシとある。しばらくは露出した岩や根っ子の段差が頻出するが、笹が見え始めると下りもゆるやかになり、道もフラットになってくる。
12:40 薬師小屋案内板に到着。昼食。
薬師岳小屋の手書きの案内板のある場所で昼食。
13:20 薬師小屋案内板を出発。
退屈な下りが続き林道に降り立つ。ここは鳳凰三山入口で地形図では途中で切れている林道を横切る。雑木林の中をジグザグに急下りが続く。展望もなくやはり退屈な下りが40分ほど続き水場を過ぎ、5分ほどで林道に降り立つ。
14:34 中道登山道入口。
いよいよ林道歩きとなる。途中の道標でドンドコ沢を横切る近道に入る。
15:07 青木鉱泉駐車場に到着。
◎ 感想
とにかくドンドコ沢での上りで腿が攣ったときはダメかと思った。これほど辛かったのは沼津アルプスで同じように腿が攣ったとき以来だろうか。
しかも、初日はガスってばかりで、滝もあまり良くなかったが、それもこれも三山の山頂に立ったときに見られる展望が忘れさせてくれる。
ただ心残りは花が少なかったことだけ。次回は初夏か。。。