山中城は箱根山麓にあり、日本百名城で国の史跡にも指定されています。
北条氏により築城され、石を使わない土だけの山城で非常に珍しい。小田原征伐では豊臣の大軍により一日で落城した。
2012年まで「山中城まつり」が毎年開催されていた。私は2002年に見に行ったことがあるが、合戦の再現や竹細工、凧揚げ教室など、いろんなイベントがあり、家族連れで賑わっていた。また再開して欲しいものだ。
駐車場は3箇所あり、山中城跡入口の2箇所が近くて良いが、三島側に200mほど降りた広い駐車場に停める。山中城跡入口まで短いながら、箱根旧街道の石畳を歩けるのでお薦めです。
日付:2020年6月24日(水)
天気:晴れ
場所:三島市山中新田
山中城跡
駐車場奥から沢に架かる石橋を渡り、箱根旧街道に出る。石畳をゆるやかに登ると、ほどなく国道に出る。
左手前に売店があり、国道を渡り山中城跡入口を入ると、未舗装の駐車場とトイレがある。
売店では蕎麦などの簡単な食事が取れますが、「寒ざらし団子」が名物のようです。私は食べたことがないですが。。。
三の丸堀沿いにゆるやかに登り、田尻の池に出ると分岐がある。
順序は左の西の丸だが、まずはアジサイを見るため右に進み箱井戸に出る。
水面を覆うスイレンはまだ咲き始めだが、周囲のアジサイは今が真っ盛りのようだ。しばしスイレンとアジサイの花を堪能する。
分岐まで戻りゆるやかに登ると、ほどなく右に元西櫓下の堀が見えてくる。平凡な堀だが、丸く刈り込まれたツツジが見事だ。
分岐を右に上がり西の丸に出る。
広々とした芝生の広場で、奥の見張り台からやや雲が掛かっている富士山が見られた。この日に富士山が見られたのは、ここが最後になった。
隣の西櫓に向かう。眼下に見られる西の丸との間の障子堀が見事だ。
ちなみに、障子堀は上から見て障子の桟のようだからではなく、空堀の中に衝立障子のような掘り残しの障壁があるからだそうだ。
トイレのある西木戸から「三島市眺望地点」に出る。ここは富士山の眺望ポイントだが、すっかり雲に隠れてしまっている。本当はこんな富士山が見たかった(2002年5月同場所から)。
あずまやを過ぎ、鬱蒼とした北側の山腹 をたどり分岐に出る。直進すると北の丸から本丸に至るが、ここは右の道に入り元西櫓から本丸に向かう。
元西櫓は特に見どころがなく、そのまま木橋を渡って二の丸に出る。やや南に傾斜した二の丸は山中城最大の曲輪で、北側の櫓台からは元西櫓から西の丸、西櫓方面を一望する。
二の丸の先が本丸になるが、間の本丸堀に架けられた本丸西橋は半分は土橋(写真奥側)で、いざというときはもう半分の木橋を堀に落とし、本丸への侵入を防ぐことができたようだ。
その橋を渡ると、藤棚のある本丸に出る。藤は5月中旬が見頃のようで、ツツジの開花時期と重なる。
北の丸から天守櫓と巡り、再び本丸に出る。左に市指定天然記念物の矢立の杉がその存在を誇示する。一段下の兵粮庫から諏訪・駒形神社を参拝して国道に下る。
国道を三島側に下り、左カーブ手前の民家の先を右に入ると閑静な宗閑寺がある。左には敵対する北条軍と豊臣軍の武将の石碑が建てられている。
左カーブに差し掛かり直進方向の箱根旧街道に入ると、今度は石段の上に芝切地蔵尊がヒッソリと佇む。
上がってみるとお堂の左に芝塚が積まれ、虫歯地蔵が祀られている。虫歯にならないよう地蔵を撫でる(撫でていいのか?)。
岱崎出丸
山中城跡入口前の横断歩道を渡り、岱崎出丸に向かう。
階段を上がると、広々とした芝生の広場に出る。2012年間で開催された「山中城まつり」の合戦会場になった場所だ。
東側の遊歩道を進み、右手の御馬場に上がってみる。芝生の広場が二段になっていて、あずまやもある。南側には急傾斜の出丸御馬場堀が掘られている。
出丸御馬場堀先の休憩所を右に見て進むと、武者だまりとすり鉢曲輪に出る。これまでの曲輪と異なり、中央部が窪み、まさにすり鉢状になっている。
北側には芝生の広場が広がりあずまやがある。このあたり一帯を岱崎出丸と呼ぶようだ。
見晴し台に上がると、足元に畝堀の一の堀が横たわる。
西側に展望が広がり、香貫山や三島から沼津に続く市街地、愛鷹連峰、富士山(雲の中)を一望する。
あずまやで一息入れ、そのまま北東にたどれば、広々とした芝生広場に出て、売店裏に降り立つ。往路の石畳を下れば、駐車場に出る。
プチ情報
見学所要時間
90〜120分
駐車場
・山中城跡入口に2箇所
・200mほど三島側に降りた場所(広いが午後5時に閉鎖されるので注意)
トイレ
・山中城跡入口2箇所の駐車場にそれぞれ
・途中では西木戸の1箇所
案内所売店
・蕎麦、うどん、寒ざらし団子、コーヒー、ビール等の軽食
・土産品
・観光案内
花の見頃
4月 ソメイヨシノ、ミツバツツジ、ハクモクレン、アセビ
5月 ツツジ、フジ(4月下旬~5月上旬)、アヤメ、スイレン(~8月中旬)
6月 サツキ(5月中旬~6月上旬)、ヤマボウシ(5月末~6月上旬)、アジサイ(~7月中旬)
7月 ナツツバキ
9月 彼岸花
感想
何度も訪れている山中城跡だが、今回ブログを書くに当たり初めて知ったことが多々あった。例えば、「障子堀」が空堀の中に衝立障子のような掘り残しだったり、「本丸西橋」が土橋と木橋のコラボだったり、知らずに訪れるのとはやはり見方が変わってくる。
今回は富士山はあまり良くなかったが、これはこの時期ではしかたないことで、割り切るしかない。綺麗な富士山を見たかったら晩秋から冬期、アジサイやスイレンなどを見たければ春から夏になる。今後も訪れるだろうが、特に丸く刈り込まれたサツキが満開の頃が良さそうだ。
すぐ近くには三島スカイウォークがあるので、セットで訪れるのもありでしょう。
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